都心や郊外へのアクセスの良い海老名。昨今リモートワークなどの働き方改革の流れもあり、これからますます「ほどよい郊外」「ほどよい都心」が働きやすく暮らしやすい街として注目されていきます。今回は、自然も残り、駅周辺は新しい開発も進む「海老名」で職住融合ライフを送る方々、また他の地域から海老名に移住してきた方々にインタビューします。
海老名市内で建築士としてリモートワークをしながら、地元のサッカーチームのコーチや、商工会の青年部にも所属している伊東さん。伊東さんの職住融合ライフはどのようなものなのでしょうか?海老名での暮らしぶりを伺いました。
仕事と私生活が近くにあるから、枠にとらわれない活動ができる
ー伊東さんは建築士としてROLEのコワーキングスペースでリモートワークをされていますが、具体的にはどのような働き方をしているのですか?
(以下:伊東)
私は、建築士として設計事務所や工務店、大手ゼネコンの設計部で設計業務などを経験してきました。独立したのは昨年で、現在はROLEと海老名市内の自宅をうまく併用しながら仕事をしています。お客様が都心にいらっしゃったり、進行中の現場が都内にあったりする場合は都内に出ることもありますが、基本的にはzoomなどのオンラインミーティングを取り入れながら、お客様や共同で仕事をしているメンバーとコミュニケーションを取りつつ進めています。
ーリモートワークの良いところはどんなところですか?
企業に属している方と私のようなフリーランスでは、リモートワークの良さは少し違うかもしれませんが、まず動き方に制限がないところですね。たとえば平日の日中に1時間だけ外出して家の用事などを済ませるなど、公私共々時間の枠にとらわれずに活動できることはメリットだと思います。
海老名駅前のコワーキングスペース「ROLE」での仕事風景。
ー仕事と私生活のメリハリはどのようにつけているのでしょうか?
基本的に自分の好きなことを仕事にしているので、正直オンオフはありません。常にオンの状態になっていますね。でも強いていうならば、子どもたちが習い事から帰ってきて一緒にご飯を食べるときなど、家族の生活リズムに合わせるタイミングで自然と気持ちが切り替わっています。仕事と私生活が近くにあることで家族の時間をより感じられるのも、リモートワークの良さかもしれません。
ー私生活では、サッカーチームのコーチもやっているとお聞きしました。
はい、地元のサッカーチームでコーチを6年程続けています。練習は主に土日祝日で、海老名市内の小学校のグラウンドでやっています。小学生の3人の息子もチームに所属しているんですよ。現在、6年生・5年生・1年生で、今年は3人とも小学生として活動できるメモリアルイヤーなんです。
先ほどの話に戻りますが、子どもたちにサッカーを教えている時間も、生活のリズムを変えるひとつのきっかけになっていますね。
地域のお父さんお母さんとも交流があるので、友人・知人関係は幅広いです。街中に買い物などで出掛けると、かなりの確率で友人に出会ったりして。仕事以外のつながりが海老名市内にたくさんあるのは楽しいですね。
地元のサッカーチームでコーチをしている伊東さん。こんがりと良い色に焼けています!
“今まさに動いている”街、海老名で暮らし働く心地よさ
ー現在仕事場としているROLEの使い心地はどうですか?
使い心地はいいですよ。駅も近くて便利ですし。周辺に店舗も多いので、いろいろな情報を得ています。仕事柄、飲食店や雑貨関係のお店などを見て回ることが多いですね。デザインの流行をチェックして、店舗設計やホテル設計の仕事に役立てています。
ー海老名で働くことの魅力はどんなところにありますか?
街が“今まさに動いている”というのをリアルに感じられるところです。私のように建物やインテリアに携わる人間からするとすごく面白い街だと思います。なにか可能性を感じるといいますか。
ーたしかに、街や建築などに関わるご職業でしたら、魅力的な環境なんでしょうね。
また街全体を見ると、発展している場所だけでなく周辺には田んぼなどの自然もありますし、それでいて田舎すぎない。そういったバランスの良さが魅力ですね。日常的な生活を補うお店も十分ありますし。また都心に出るのも、決して近くないけれど、苦痛にはならない距離感です。
ー海老名で「職住融合」の生活を始めて変化したことはありますか?
もともと仕事を仕事と捉えないような性格なので…(笑)そういった意味では仕事量は以前より増えましたが、今の生活スタイルにはかなり満足しています。
ー海老名周辺でよく行くお店はありますか?
商工会の青年部に属していることもあり、メンバーが経営している飲食店に顔を出すことがあります。「ありがとう屋」には仲間とよく行きますね。
伊東さんがよく行く「海老名和食 ありがとう屋」。新鮮なお刺身や名物の釜飯が絶品。
あと、ビナフロントにあるラテグラフィックというカフェのインテリアを私の友人が担当したこともあり、よく行きますね。朝早くから開店していて便利なんです。朝立ち寄ると、朝活をしている方も結構いらっしゃいます。
ラテグラフィック 海老名店。
ーお出かけはどちらに行かれますか?
家族で買い物に行くときは、海老名駅のららぽーとによく行きます。毎週末サッカー漬けなので頻度は少ないのですが、たまに車でもお出かけしますよ。
あとは家の近所に相模川が流れていて、日々の散歩コースになっています。よく行く中野公園は息抜きスポットですね。土手が平塚の方まで続くサイクリング・ランニングコースになっていて、たまに息子たちと走ったりしていますね。誰でも使えるグラウンドも近くにたくさんあるので、運動の場所には困りません。子どものためには非常に良い環境だと思います。
以前は海老名駅のすぐ近くに家を借りていたのですが、子どもの環境を考えてこちらに戸建てを建て、今のような生活になっています。
相模川のサイクリングロード。
ーでは、これからもずっと海老名に?
そうですね、私は生粋の海老名人なので。実家は海老名駅から徒歩圏内で、開発が始まる前、住所が「扇町」ではなかった頃からずっとこの場所近辺に住んでいるんです。妻は隣の厚木出身で、高校の同級生なんですよ。
大学や以前の職場は都内だったのですが、海老名からずっと通っていましたから。もう海老名からは離れられませんね。これからもここに住み続けたいと思っています。
魅力的なスポットがどんどん生まれる海老名の“これから”に期待
ー海老名で働き、住まうことを考えている人にアドバイスはありますか?
海老名は、街がどんどん活性化していくのを住んでいて実感できる街です。次々と魅力的なスポットが生まれていますし、これからも増えていく可能性を持っていますので、毎日ワクワクした生活が楽しめるのではないかと思います。停滞したり、人がいなくなって衰退していったりするのとは真逆の、この周辺では稀なケースでこの街は動いているので、かなり魅力的な街ではないかと思いますね。
ー逆に、現在の海老名に足りないと感じているところはありますか?
コワーキングやシェアオフィスなど、個人で働く場所はまだあまり多くない印象です。しかし、これから増えてくるのでしょうね。今よりもう少し働く場所の選択肢が増えれば、より活動しやすくなると思います。スタートアップがチャレンジしやすい時間貸しや月極めで利用できる施設など、使いやすいスポットがこれから増えることを期待します。
総評
どんどん発展する駅前と周辺の豊かな自然がバランスよく共存する海老名の街を120%生活に取り込む伊東さん。住む街で働き、子育てやサッカーのコーチ、商工会への参加など地域との関わりも大切にする。そんなライフスタイルを叶える海老名の進化がこれから見逃せません。
ROLEの紹介
海老名から新たなモノ・コトを作り出していくための施設「RICOH Future House」内にある、海老名駅近の郊外型コワーキングスペース。レンタルオフィス・貸会議室・ワークラウンジ(シェアオフィス)などがあり、落ち着いて仕事に集中できる。
伊東 哲嗣(いとう・さとし)
SIA/伊東哲嗣建築事務所 代表(一級建築士)
1979年神奈川県海老名市生まれ
1998年県立海老名高等学校 卒業
武藏工業大学(現 東京都市大学)大学院修了後、設計事務所勤務などを経て2019年(令和元年)40歳という節目を機に独立
家族構成は妻(同じ高校の同級生)/子ども3人(6年生・5年生・1年生の男三兄弟)
趣味はサッカー観戦、流行りのスポットを巡る事。
設計事例:https://www.instagram.com/satoshi_ito_architects/