海老名ミライカイギ第5回 高校生 <前編>

2019年12月15日(日) noma house(海老名)

理想の暮らしを語り合うだけでなく、その実現を後押しするパワフルな言葉(フューチャー・ランゲージ)をつくる「海老名ミライカイギ」。5回目になる今回は、海老名界隈が行動範囲の高校生たちが参加してくれます。アルバイトやボランティアなど社会との接点も増えてくる高校生。どんな理想キーワードが出てくるでしょう?

海老名ミライカイギvol5

「フューチャー・ランゲージ」とは
「自動車」という言葉ができる前、自動車は「馬なし馬車」と呼ばれていたそうです。「自ら動く車」という考え方がなかった当時の人々は、それを表す言葉を持っていませんでした。でも、もしも先に「自ら動く車があったらいいな」「それを『自動車』って呼ぶのはどう?」なんて会話をしていたら、「馬なし馬車」よりもイメージがふくらんで、自動車の進化は早まったかもしれません。「今ないもの」を表す共通の言葉をつくり、理想の未来をぐっと近づける。それが、フューチャー・ランゲージという考え方です。

ジェネレーター

*「ジェネレーター」とは、ティーチャー(教える人)でもファシリテーター(話を引き出す人)でもなく、「創り出す人」のこと。参加者と一緒にミライのコトバを考えます。 

ジェネレーター井庭崇

井庭 崇(いば たかし)

慶應義塾大学総合政策学部教授。創造的活動を支援する「パターン・ランゲージ」の日本における先駆者であり、未来へ向けて言葉づくりからアプローチする新たな手法「フューチャー・ランゲージ」を提案。産学連携によるワークショップ等で、海老名市をはじめ全国の街づくりなどに携わる。著書に『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』『旅のことば:認知症とともによりよく生きるためのヒント』『プロジェクト・デザイン・パターン』等

参加者

栄野裕希(えいの ひろき)さん

栄野裕希(えいの ひろき)さん

海老名在住 高校2年生。小学生から現在までバスケを継続。ファッションに興味があり、服を買いに行くことにハマっている。

横田翔矢(よこた しょうや)さん

横田翔矢(よこた しょうや)さん

海老名在住 高校2年生。小学生からバスケ部。大会で見かけていた他校の栄野さんとは同じ高校のバスケ部で再会。好きなことは寝ること。

舘 史海(たち ふみ)さん

舘 史海(たち ふみ)さん

海老名在住 高校2年生。2歳からフィギュアスケートを始める。6歳で選手登録し高2の秋で引退。趣味は映画鑑賞。

佐伯 凛(さえき りん)さん

佐伯 凛(さえき りん)さん

海老名在住 高校3年生。小6から高2の引退までバスケ部でレギュラーを務めた。ショッピングが好き。

瀬戸 星(せと あかり)さん

瀬戸 星(せと あかり)さん

海老名在住 高校2年生。趣味は漫画を読むこと。少女マンガのみならず少年ジャンプ系も愛読。ジャンプ系ならどのマンガもおすすめだそう。

サポーター 慶應義塾大学 井庭崇研究会 ゼミ生

村上 航

村上 航

伴野ユウカ

伴野友香

1.進化する街だからこその「自然環境との融合」
井庭

こんにちは。今日は皆さんが住む海老名の良さ、また現状感じていることについて話し、アイデアを出すブレーンストーミングをします。そして将来こんな街になったらいいなあという理想を、最終的に実現に導くパワフルな言葉にしていきます。 まずは現実の制約を全く無視して、自分が住みたい街の理想を出してみましょう。「こういうものが暮らしにあったら」でもいいですよ。形容詞でも、サービスでも、ほわっと思いついたことでもなんでも黄色い付箋にどんどん書いてみてください。

村上

「ゴミが一つも落ちていない街」。僕は幕張の比較的新しい住宅地に住んでいますが、最近ゴミを道端に捨てる人が増えてきたなと感じているんです。

横田

中学校で月1回、ゴミを拾いながら学校に行くという活動がありました。たばこの吸い殻や空き缶がたくさん落ちていました。こういう活動をもっと増やすとゴミが減っていいと思います。

井庭

最近、街中にゴミ箱が少ないよね。日本ではオウム地下鉄サリン事件以来、危険防止のために減ってしまいました。

横田

落ちているゴミに加えて、「廃棄物を少なくする」ことももっと考えないといけないと思います。

井庭

いいね、フードロスとかね。

栄野

「緑が多い街」も理想です。自分自身、芝生に寝転がるようなことに憧れていて、自然がもっと豊かだと環境的にもいいと思います。

井庭

海老名は田んぼが多かったけれど、ずいぶん人工的な街の印象になってきたよね。僕が1年間住んだポートランドは、アメリカで1番住みたい街といわれるほど、緑と文化が融合しています。日本に戻ると人工物だらけで非人間的に感じたなあ。もっと自然が街の中入り込んでくるといいよね。

横田

ずっと海老名に住んでいますが、ららぽーとができてからどんどんマンションが建って変わりました。今泉中学校あたりに行くとまだ田んぼもあってやっぱり落ち着きます。

私はカナダのバンクーバーに1週間留学していましたが、人工物もありました。でもその分自然もあって、空気もきれいで、「フィフティフィフティなバランス」がよかったです。

伴野

香港もそうですね。人工的な建物がたくさんあるけれど、芝生もあって。椅子でも芝生みたいなもので覆われていてみんなそこで寝ているんです。でも見渡すといっぱいマンションが建っています。緑が無くても緑を作ろうと思えば、その場所に融合できる気がします。

マンションやららぽーととかの商業施設の「屋上をガーデンに」すれば、融合できるのかなと思います。

井庭

もっと「身近に農業」ができるのもいいんじゃない?友人のIT会社社長が里山再生のために軽井沢に移住して、田植えをしているんだけれど、学生たちを連れて僕も手伝っています。 農スクールで、ホームレスやひきこもりの人たちが農業を実践するとみんな自立していくという事例もあって、 農業に触れただけで、やる気や自信がでてくる。

瀬戸

おじいちゃんが農業をやっていてたまに手伝います。植えたけれど消費するのが大変で、そのまま花が咲いてしまい困るときもあります。地域の人や希望者が「気軽に農業を手伝える制度」があるといいのに。

井庭

植物を育てるって結構いいんだよね。静かな生命力を感じられるし、食べられるから。街にみかんやブルーベリーなどの果樹を植えたらみんなで食べられて嬉しいよね。みんなで育てる「コミュニティファーム」。 農業始めます!というのは難しいけれど、気軽に参加できるものがあるといいね。

横田

近くで梨狩りができて、持って帰って食べるとおいしいです。

井庭

狩るだけでなく、水やりとか雑草抜きとか一部でも関わると親しみがわくよ。農業にちょっとでも触れるとレタス1つ育てるのがどれだけ大変かがわかるし、理解すると大切にするよね。

周辺にまだ田んぼが残る海老名だからこそ、みんな環境が気になるようです。

周辺にまだ田んぼが残る海老名だからこそ、みんな環境が気になるようです。

2. 堂々と遊べる、くつろげる。暮らしの中の「余白」
栄野

子どもも大人も世代に関係なく「体を動かせる体育舘」があるといいなあと。

瀬戸

公園は小さい子中心の遊び場になってしまうので、「違う世代も遊べるような施設」があったり、「大きい公園」がもっとあってもいいと思います。

井庭

公園は最近ボール遊びが禁止されているところが多いよね。

栄野

遊具も危ないからといって無くなっています。

夜遅くまで公園で遊ぶ高校生が最近増えていて、ちょっと危ない気もします。家の周りは道が暗いのでついてこられたら怖い。

村上

僕は「ちょっと座れる場所」が欲しいです。散歩していてもどこにも“余白”がない感じで疲れます。

伴野

今日、海老名駅から来るときに、ちょっとサンドイッチを食べようと思ったら座れる場所が無くて、結局歩きながら食べちゃいました(笑)。待ち合わせするのにも座る場所が無くて立っている人が多いですよね。

井庭

子どもが危険だから遊具を無くすのと同じで、ホームレスの人が寝ちゃうから椅子を無くすとか、レアケースの事故やマイナスな事がポジティブで良いものを駆逐するパターンだね。

伴野

「リスクを考えない街」。遊具、椅子、便利すぎてしまうからこそ失われているんなんて。

村上

もっと「騒げる場所」が欲しい。静かにしなくちゃいけないから活気がなくなってしまうのはおかしいなあと思うんですよね。

伴野

クリスマスマーケット的な外での催しがあれば活気があるし、屋外でも騒げていいですね。横浜の赤レンガ倉庫みたいな。

「外で映画やスポーツが観れる場所」。観賞できる場所がほしい。

全員

いいねえ、いいねえ!

横田

あと、海老名の図書舘はテスト期間のときすぐいっぱいになるから「学習スペース」がもっとあるといい。

井庭

どういうのが理想?僕は図書舘は静かすぎて勉強がしにくかったけど。

横田

飲食しながら勉強できるカフェみたいのがいいけれど、お店側からすると困るだろうから……。

井庭

学校開放もあり?

横田

ありですね。

井庭

テスト時期に増えちゃうからそれを予約とか。

村上

学習だけの場所じゃないほうがいいかなと。ちょっと集中力が切れた時に、話が出来たりするのがいい。

伴野

一人で集中できる机と、別のフロアでは話ができる、教えあえるスペースというように分かれているといいと思います。

少しリラックスしてきて、だんだん若者らしい思いが出てきました。

少しリラックスしてきて、だんだん若者らしい思いが出てきました。

少しリラックスしてきて、だんだん若者らしい思いが出てきました。
3. 世代を超えた「交流」が育むコミュニティ
栄野

最近、地域で何かをする機会がないので、「近所の家族との交流」があると、防犯につながっていいと思います。

井庭

昔は祭があったし。自治会は子どもには関係ないものね。アメリカではハロウィンで子どもたちが周辺の家にお菓子もらいに行きますよね。その時に年上の兄弟姉妹や親も一緒についていって、もう一人の親やおじいちゃん・おばあちゃんが家で待機してお菓子をあげる側になるというのがたいていで、ご近所との交流になっている。面白い仮装だと印象に残って名前と顔を覚えてもらえるというのが面白いよね。

横田

「世代間を超えた交流」。興味があるほうではないけれど交流があったほうが挨拶もきちんとできるし良いと思います。

村上

公民会があっても若者は面白くないですよね。ボードゲームとか共通で楽しめることがあればいいかもしれません。直接、遊びを一緒にやらなくても同じ部屋なら空気感が伝わって楽しくなるかなとも思います。

井庭

僕は将棋や囲碁をお年寄りが子どもとやってほしいなあ。僕が相手しなくていいから(笑)。

女性なら紅茶とケーキを楽しむみたいに、料理教室があってもいいですね。

世代を超えた交流がもたらすことの意義に触れるのは、社会人に近づいている証し 世代を超えた交流がもたらすことの意義に触れるのは、社会人に近づいている証し

世代を超えた交流がもたらすことの意義に触れるのは、社会人に近づいている証し

4. 「安心」して、「安全」に暮らせる
横田

「相模線の駅のホームの拡大」。生徒がいっぱいでホームに人があふれていて危ないです。

佐伯

大阪で「ホームに柵」があるのを見ましたが、あれは安全でした。

横田

海老名市はこれからも人口が増加するから、安全を配慮したものがもっとできるといい。

佐伯

歩道の間に「街灯」もあるといいなあと思います。

「広い歩道がほしい」です。犬を飼っていたけれど、危ないからとリードを持たせてもらえなかったので、歩道が広ければ犬の散歩も安心してできたかなあと。

井庭

「犬の散歩がしやすい街」。

全員

いいですねえ。

井庭

僕が子どもの頃は空き地がいっぱいあったから散歩中に犬が糞をしても、みんな放置していた。自然に還るという感覚で。誰も怒らなかったしそれこそ余白があったんだよね。でも今は誰かの所有地だったり、きれいな場所になっているから糞を拾って散歩しないといけなくなっちゃった。

伴野

新宿に住んでいますが、ドッグランの場所が無いです。わざわざお台場とか離れた施設に行かないといけないんですよね。

瀬戸

私は「自転車用の道路」があったら、安心して走れていいなあと思います。歩道は走れないですし。

井庭

車道に出ろっていうのも危なくておかしいよね。

栄野

学校まで自転車で行くとき迷惑がられるし、事故にあいかけたこともあります。夜間も危なくて走りにくい。

瀬戸

ららぽーとまでの道がすごく狭くて自転車を降りて押してきました。

井庭

ポートランドはエコの街で自転車を利用するから、車道に自転車道があるし、オフィスに駐輪場や、壁にかけておく場所もあります。バスの前方に自転車を載せられるから途中までバスで行って、ダウンタウンで降りて自転車に乗るということもできるし。「自転車に優しい街」。

佐伯

私の住むエリアではもっとバスが通る地区が増えてほしいです。そうすれば、お年寄りが気軽に外出できるようにもなります。

次々と日々の生活にともなったリアルなシーンが出てきます。

次々と日々の生活にともなったリアルなシーンが出てきます。

5. 「楽しい!ハッピー!」を感じられる場所
伴野

「アートのある街」。福岡はすごくやっていますね。大きなブランコやモニュメントがあって、写真を撮りに来たり、そこに人が集まっていました。

佐伯

新百合ヶ丘駅で小田急OXの隣にストリートピアノがあって、その周りが賑やかになっている様子を見て、海老名駅にあったらいいなあと思いました。

村上

他の出身地の人と遊ぶとき、自分の街を紹介できたら嬉しいですよね。「人を呼べる街」だと、それが「誇れる街」になります。

伴野

あと「ゆっくりできる場」。温泉とか。

横田

僕は「銭湯」。部活帰りに汗凄いから、入ってさっぱりしたいです(笑)。

伴野

「メイクやヘアアイロンができる場所」。学校が終わって友達と遊びに行く前に、ちょっとヘアスタイルを直せるスペースがあったらいいなあと思います。

井庭

トイレじゃなくてね。

「フューチャー・ランゲージ」に導くにはわくわく感は大切。

「フューチャー・ランゲージ」に導くにはわくわく感は大切。

6:理解を深め「多様性に応える」優しい街

フェアトレード商品に興味があるのですが、もっと認知させる機会が増えるといいと思います。

井庭

どういう感じで伝えるのがいい?

フェアトレード商品によって、そこの地域の人たちの生活をサポートできているというのをポスターなどで見せます。それでも興味ない人は振り向かないから難しいけれど……。

村上

「フェアトレードマーケット」だと気軽で身近になるかな。

それから、私の学校は在日外国人の先生たちが多くて、子どもができても病院でどういうふうにしていいかわからないと言っていたので「外国人のサポート」ができるといいと思いました。あと、移民の子どもが学校でいじめられるということもよく聞くので、教育面でのサポートもあるといいですね

井庭

インターナショナルスクールみたいな英語だけでなく、バイリンガルで日本語と英語と両方のクラスがあると入りやすいよね。両方の接点を作るのが大事。そうすると両方の語学や文化を覚えていくことにもなります。

瀬戸

もっと英語を身近に感じられる交流イベントとか。

カナダのどこかのパブリック学校で移民を助ける学校がありました。

井庭

パブリックでやると高額にならずに移民の人も来ることができるよね。

伴野

市全体として英語を教えるサークルなど、欲しい情報がまとまって載っているプラットフォームみたいなサイトもいいですよね。

井庭

日本語や文化を教える場所があるといいなあと思うね。アメリカなんかだと、移住してきた人たちに対して、教会などで英語を教えてくれるサービスがあったりする。とても安くね。

栄野

「職業体験できる場」を子どもだけでなく、海外から来た人に体験してもらって、日本に住むきっかけになるのもいいなと思います。

住みたい街の理想がたくさん出てきて黄色の付箋もいっぱいに。後半では青い付箋を使って課題出し。

住みたい街の理想がたくさん出てきて黄色の付箋もいっぱいに。後半では青い付箋を使って課題出し。

住みたい街の理想がたくさん出てきて黄色の付箋もいっぱいに。後半では青い付箋を使って課題出し。

高校生も様々な視点からしっかりキャッチしながら成長しているんですね。ずいぶん理想のキーワードが出てきました。後半では、「困っていること」や「悩んでいること」を挙げて、いよいよフューチャー・ランゲージを創り出していきます。第5回 高校生<後編>ももうすぐです!

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