海老名ミライカイギ第3回 共働き家族<後編>

2017年12月8日(金)海老名市 海老名コワーキングスペース ROLE会議室

家族との時間を大切にしながら、自分らしく輝く。そんな共働きのご夫婦2組が登場している第3回「海老名ミライカイギ」。前編では、これまでにない新鮮な視点からのコトバが次々と生まれました。いよいよ後編、皆さんの熱い思いと理想の暮らしをつないで、海老名のフューチャー・ランゲージ=「ミライを語るコトバ」がさらにあふれ出します。

海老名ミライカイギvol3

「フューチャー・ランゲージ」とは
「自動車」という言葉ができる前、自動車は「馬なし馬車」と呼ばれていたそうです。「自ら動く車」という考え方がなかった当時の人々は、それを表す言葉を持っていませんでした。でも、もしも先に「自ら動く車があったらいいな」「それを『自動車』って呼ぶのはどう?」なんて会話をしていたら、「馬なし馬車」よりもイメージがふくらんで、自動車の進化は早まったかもしれません。「今ないもの」を表す共通の言葉をつくり、理想の未来をぐっと近づける。それが、フューチャー・ランゲージという考え方です。

ジェネレーター

*「ジェネレーター」とは、ティーチャー(教える人)でもファシリテーター(話を引き出す人)でもなく、「創り出す人」のこと。参加者と一緒にミライのコトバを考えます。 

ジェネレーター井庭崇

井庭 崇(いば たかし)

慶應義塾大学総合政策学部准教授。創造的活動を支援する「パターン・ランゲージ」の日本における先駆者であり、未来へ向けて言葉づくりからアプローチする新たな手法「フューチャー・ランゲージ」を提案。産学連携によるワークショップ等で、海老名市をはじめ全国の街づくりなどに携わる。著書に『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』『旅のことば:認知症とともによりよく生きるためのヒント』『プロジェクト・デザイン・パターン』等

参加者

神明(しんめい)豊一さん

神明(しんめい)豊一さん

海老名市在住。横浜のイタリアンレストランでシェフを務める。行列ができるほどの人気店で多忙な毎日。休日は地元の海老名でのんびり過ごす。シェフ歴は20年以上。

真帆さん

真帆さん

自宅にて整骨院を経営。開業を目指す中で妊娠・出産を経験し、体調の変化に悩んだことをきっかけに、「女性専用のサロン風」というスタイルを実現。

加藤 宗将(むねゆき)さん

加藤 宗将(むねゆき)さん

海老名市在住。大のコーヒー好きが高じ、海老名にて念願の自家焙煎コーヒー生豆専門ショップを開業。30種類以上の豆を取り揃え、こだわりの風味を提供している。

花さん

花さん

キッチンカーで移動しながら、夫の宗将さんが焙煎したコーヒー豆のドリップコーヒーを販売。自身もコーヒー好きで、カフェに勤務していたことも。

サポーター 慶應義塾大学 井庭崇研究会 ゼミ生

村上 航

村上 航

野崎 琴美

野崎 琴美

1. 「裏原宿」を超える!? 個性が光るエリア「裏海老」
井庭

これまでに、個人や店が自由に発信できる場を民間企業が提供する「民間特区」、キッチンカーでレストランなどが給食を提供する「給食カー」、なんとなく1日過ごせる「無目的スペース」というのが出ました。他にはどうでしょう?

加藤 宗将

さっきの「対・ストリートミュージシャン」ですが、「オープンストリートミュージシャン」にするのはどうですか?

井庭

それもいいですね! こうして、同じアイデアのものに他の名前をつけていってもいいんですよ。

神明 豊一

あとは、こだわりのある個人店が増えれば…ということで、「裏海老」っていうのを考えてみました。家賃が安い「裏原宿」でセンスのある人がたくさん出店して、「裏原」として人気が出たように、海老名にもそういう可能性があるんじゃないかと思うんです。

加藤 宗将

いいですね。すごく面白そうです。

加藤 花

お店同志もゆるくつながっていけそうですよね。やっぱり「みんなでやりましょう!」っていう空気が大事。例えば同じイベントに、コーヒーショップがいくつも出店してもいいと思うんです。お互いに刺激しあって、海老名全体を活性化していけると思うし。

神明 真帆

公園でフェスとか…。「同業フェス」とかどうですか? 

加藤 花

コーヒーショップの同業フェスとか、すごくいいですよね!

井庭

「裏海老」「同業フェス」。どちらも個人店が増えそうないいアイデアですよね。海老名の個性がどんどん発信できそうです。

ゆるいつながりで、個人店をもっと元気に! 専門職の皆さんならではの発想が光ります。

2. 店主が出前授業! 子どもたちの可能性を広げよう
井庭

真帆さんが言っていた、お店を出したい人と、そんなお店を利用したいと思う人がコラボする。これも面白そうなんですが…

神明 真帆

「客」と「店」が組んで…ですよね。

井庭

よし、「客店組(きゃくてんぐみ)」! どうでしょう。このセットで行政などに交渉するんです。

神明 真帆

うん、それなら要望がリアルに伝わりそうですね。

井庭

最初のほうで神明(豊一)さんが、加藤(宗将)さんのショップの話を聞いたときに仕事への情熱が伝わってきた、というお話をされていましたね。一方で、今の若い人たちには「好きなことを仕事にする」ということがあまりピンとこないかもしれない、というのもあります。

加藤 宗将

そうですね。僕も否定的なことを言われたことがありますし…。「仕事は遊びじゃない」とか。

神明 豊一

でも、これからは個人が輝いて、どこにもできない唯一無二のことをやっているっていうのが絶対に強みになる時代ですよ。

井庭

そうですね。学生とかにそういうことを伝えられる場所ができたらいいですよね。

加藤 宗将

「店長先生」とか? 個人店の店主が学校で出前授業をするんです。子どもたちの可能性がきっと広がると思います。たとえば音楽の仕事だったらまずはミュージシャンが思い浮かぶけど、楽器をつくる職人さんという道もある。いろいろな専門家が来て子どもたちと話ができれば、海老名全体がもっと元気になっていくと思います。

子どもたちとの交流にも、自分たちの仕事を生かしたい! 新しい名前をつけられた発想が、ピンク色の付箋にまとめられていきます

3. 「面白いことをやっている海老名」を発信するメディア
村上

「店長先生」って、すごくいいと思います。学生にとっても人生の先輩にいろんなことが相談できることはとても嬉しいし、お店の人だって嬉しいですよね。いいつながりができてくるんじゃないかと思います。

野崎

学校の先生とはまた違う感じですよね。海老名にはそういう授業を受けられる学校があるということが、大きな魅力になると思います。

神田 真帆

あとは、海老名がこんなに面白いことをやっているんだ、ということを発信するためのもの…。これもまだ名前がついていませんよね。何がいいかな?

村上

「海老ペディア」っていうのはどうでしょう?

神田 真帆

面白い(笑)。海老名のことなら、まずそこを見ればいいんですね。

加藤 花

新しい情報もリアルタイムでどんどん流すんです。写真付きで、インスタみたいに。

加藤 宗将

個人店のことも発信していきたいよね。

井庭

加藤さんがコーヒーを語る時の熱さとか、伝わってくるといいですよね。

加藤 花

海老名のニュースが流れる「Newスタ」っていう名前はどうですか?

井庭

いいですね! 「海老ペディア」のところに書いておきましょうか。あとは…買ったその場で車を停めて食べられるドライブスルー。これも名前ができて実現したら、僕はとても助かるんですが(笑)。

村上

 じゃあ、ドライブスルーじゃなくて「モバイルスルー」で。

神明 豊一

面白いですね(笑)。すごく新しいスタイルですよね。

自分たちが生き生きと暮らしていることを発信できれば、もっと街が輝くはず。楽しみながら、さらにディスカッションが盛り上がっていきます。

4. アイデアが盛りだくさん。今までで最多の「ミライのコトバ」が誕生!
井庭

今回はずいぶんたくさん出ましたね。そろそろ時間ですが、あとはこれかな、バーベキューとか何でもできる屋内公園。自由に持ち込んで、ピクニックもできるんです。キッチンカーも持ち込めます。「ViNA PARK」とか?

神明 真帆

「ViNA PARK」、素敵ですね。おじいちゃん、おばあちゃんも来られますよね。

野崎

「ViNAだまり」というのはどうですか? たまり場なんですが、不健康ではなくオープンな場ということで。

神明 真帆

いいですね。

加藤 花

「ひだまり」みたいで、いいと思います!

井庭

では、まとめましょう。みなさん、今日はこんなにたくさんのコトバが生まれました! いかがですか?

全員

おおーー!(拍手)

井庭

「こうなったらいいな」と思うことに名前をつけて、こうやって新しいコトバにすればみんなで話し合いやすいし、引き継がれやすい。それが実現につながっていくんです。これが記事になって発信されれば、今すぐでなくても、「これ、面白いね」ということで形になるチャンスが生まれます。

神明 豊一

こうして話し合ってみて、初めて気づいたこともたくさんありましたね。

加藤 宗将

そうですね。できることがいろいろあるなと思いました。

井庭

これまでもフューチャー・ランゲージは、農家さんが自分たちでイベントを企画して実現するのを後押ししたりと、いろいろなことを形にしてきました。みなさんは専門のお仕事をされているので、自らアイデアを持って動ける方たちだと思います。ミライに向かうコトバをどんどん発信していきましょう。今日はありがとうございました!

誇りを持って仕事をしている皆さんの輝く表情が印象でした。

共働き家族編で生まれた「ミライのコトバ」

 

「民間特区」…民間企業が提供する、個人や店が営業できる場所
「給食カー」…キッチンカーの給食版。レストランなどが学校へ出張する
「無目的スペース」…買い物や食事などの目的を持たずになんとなく過ごせる場所
「オープンストリートミュージシャン」…オープンカフェなどから道に向かって演奏
「裏海老」…「裏原宿」の海老名版。表通りから離れた、個性的な店が並ぶエリア
「同業フェス」…コーヒーショップなど同業が集まって刺激し合いなら開催するイベント
「客店組(きゃくてんぐみ)」…店を利用したい人と出店したい人が組んで開業を進める
「店長先生」…自営業者などが学校へ出前授業。多様な生き方、仕事のあり方を伝える
「海老ペディア」「Newスタ」…海老名についての情報をどんどん集めて流すメディア
「モバイルスルー」…車を停めてその場で食べられるスペースがあるドライブスルー
「ViNA PARK」「ViNAだまり」…公園のようにピクニックなどもできる屋内スペース

海老名ミライカイギは、今後もいろいろな方に参加していただき、シリーズで展開していきます。どうぞご期待ください!

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